両親に殺された感情を取り戻す(1/5)

「自分は冷静で落ち着いた人間ではなく、ただ単に親に感情を殺されてただけ」

 

通院しているメンタルクリニック(以下「メンクリ」)で受講したセミナーでの出来事

一応このセミナーの説明。内容は、日常の困りごとに関連したテーマに沿って、講師の先生が解決方法などを提示する。そしてそれについて参加者が自分の経験等を4人前後のグループになって共有するというもの。

その時のテーマは「自分の感情を感じ取る」

強い感情を抱きやすいシチュエーションが複数挙げられた。例えば、雨の日通りすがりの車に水をかけられた等。それぞれの場面では、自分がどのような感情が沸き上がったか話し合うという内容だった。

いくつかの場面で自分は「何も感情が起こらない、ただフリーズしちゃうかもな」と思った。他の参加者も似たような感じだろう、と思って語り合いに入る。

ところが、「フリーズする」と答えた人はいなかった。他の人は「イライラした」とか「驚いた」とか言っていた。「あれ?フリーズするの自分だけ?」

割と強めなショックを受けて考え込んでしまった。でもそこで気が付いた。

「悲しい、ムカつくなどの感情をずっと見て見ぬふりをする癖がついていたんだ」

振り返ってみれば、幼少期から両親からの暴行等の虐待に遭ってきた。「悲しい」、「怖い」などの感情を押し殺さないと精神がもたない家庭環境だった。

 

自分がこのメンクリにたどり着くまでの経緯

10年間メンタルの不調というか過眠症に悩まされ、うつ病とかの精神疾患を疑い色んな病院に行った。でも、どこでも、「うーん...あなたはどの精神疾患には該当しないね。どうしても病名が必要という事情なら"自律神経失調症"ということにしましょう。」

精神疾患ではないものの、何かしらの病名がないと対処できないな...どうしよう...

「不眠ではなく過眠?」と信じられない人もいるかもしれないが、一応説明してみる。

食事、トイレ、お風呂の時間以外は寝込んでしまう。この症状は1か月ほど続き、このせいで高校も留年しかけ、社会人では休職に追い込まれたほど。周りからは「怠け者」とレッテルを貼られ辛かった...

会社員だと解雇という洒落にならない事態になるので、信頼している先輩の紹介でこのメンクリに通うことになった。

自分の症状をつらつらと話したら、先生に「自分が我慢すればいいんだって限界まで耐えちゃう性格でしょ?」と言われハッとした。さらに「そういう人の親はヒステリックでさ、子供に対して異常なほど我慢を強いるんだよ」と、あ~確かにその通りだ...

睡眠障害、過眠等」と診断された。

この診断書を片手に会社にも事情を説明してなんとか休職できた。この病気に理解を示してくれた会社には本当に感謝している。ちゃんとした診断名がついて、変な言い方ではあるがホッとした。

理不尽なことがあっても「自分が我慢すればいいんだ」と思い込み、ストレスをため込み限界くる。その自己防衛のために過眠症が出てしまう。振り返れば確かにそんな負の連鎖の繰り返しだったと思う。

この症状を治すためには、この辛い記憶を掘り起こし清算する必要がありそうだ。せっかくの機会だから休職期間に清算しよう!と意気込んだが、これって辛い記憶を掘り起こす作業だから本当に辛かった。

 

続く