実家が長女の独裁状態な話

自分が正しいと疑わず、一挙手一投足を非難してくるような高圧的な人、あなたの家庭にいますか?

普通は両親が家庭の運営を仕切って、子供はそのサブ的な役割という感じだろう。

ウチは両親が半ネグレクトで、親は家庭の運営どころか交通整理すらできていなかった。

そんな状況を察したのか、長女が家族のことを仕切り始めた、いや正確に言うと恐怖政治に近い運営を始めたのだった。

そんな雰囲気がしたのは長女が高校入学してからで、どんどん強権的になっていく。

高校入学前は子供だったし、体も小さかったから親による押さえつけができる状況だったが、高校生になり体格が親を追い越した頃から形勢逆転した。

両親は頻繁に暴力をふるうような人間だったので、それに対する復讐心のようなものもあったのかもしれない。実際、母の機嫌を損ねると「あんたはウチの子じゃない!」と叫び声を上げて無理やり玄関から追い出すという光景は当たり前だった。なお、姉妹3人ともこの被害に遭っている。

長女に対する侮辱的な行動は他にもあった。なんと髪形をパッツンのおかっぱ頭にさせていたのだ。当時を振り返った時、次女が「姉ちゃん髪形変だったよねwww」とバカにするくらい強烈なものだったらしい。

やばい親の例で、わざと変な身なりにさせて可愛くさせないというのがあるらしい。可愛くなってほしくないという...親の本音は分からない。もしかしたら、親が幼少期を過ごした昭和時代はそれが当たり前で、そこら辺の価値観のアップデートができていなかった可能性も無くはないが...

話が逸れるが、母のファッションセンスも悪く、しかも古い服を捨てられない性格も加わって最悪だった。入学式に着てきたのは、バブル時代に流行ったであろう肩パッドが入ったワンピース。本当に恥ずかしかった。

しかもなぜか服の選ぶときに口を挟んでくる。私が成人式や卒業式用の袴を選んでいた時に、母が薦めてきた袴の柄は激安服特有の安っぽいビビットカラーのものだった。不快だったので「センスがダサいから口を挟まないで」と突っぱねた。

もともとファッションセンスが悪いのと、他の人の意見に耳を傾けない頑固者だったので服のセンスとか個性以前に、無難な服装というのが分からないのだろう。

私が社会人になっても、こっちの好みを聞くことなく、センスの悪いセーターやマフラー、バッグを送り付けてきたこともあった。「これはブランドものだから」とだけ言って断りにくく恩を着せるような言葉も添えてきた。でも全部捨てた。

話を戻す。相手の好みや希望を聞くことなく、自分が送り付けたいものを一方的に押し付けることが当たり前の家庭ではあった。子供は無意識のうちに「親は正しい」と思うようになるので、親と同じような押し付けがましいことを友達にもしていた。

子供って判断力が未熟なので、失礼で押しつけがましいことをされても拒否することはめったにない。例えば、友達は盗難の被害に遭っても犯人との交友関係を続けるということがあった。でも、高校以降ではガラッと変わり、嫌なこと失礼な人に対してはハッキリと「NO」を突き付けることができるようになる。そして、大学以降は大人の対応をとれるようになるので、不快感を感じたらスッと距離をとり壁を築く。

そんなことを学ぶ土台も無く、自分の考えを押し付けることに何の罪悪感も抱かないまま年齢だけを重ねていった。でも、周囲の人からキツく怒られることがあったので、外ではおとなしく黙っているが、家ではその鬱憤を晴らすという内弁慶な人間がいた。

そんなわけで、体格が親を超え形勢逆転したら、長女がおかしな親を押さえつけて、まともな家庭環境に変わることもなかった。

長女は自分が正しいと疑わないので、マイルールに固執し、些細なことでも1ミリでも外れようものなら、「バカ」「非常識」と強い言葉で侮辱してきた。長女の身長は170センチを超えていて肥満体型だったので、体格に圧倒され言い返すこともできなかった。

一応家族もプライドはあるので、バカにされないために長女に迎合していた。ちなみに、なんでも長女を模倣し、言いなりになる次女と違って、末っ子の私は長女たちの正反対のことをした。違う部活動、違う学部。それが気に食わなかったのだろう。私は姉たちから仲間外れにされた。

あと、姉たちは年齢差を考慮するほどの頭も無かったので、6歳離れている私のことを「バカ」だの「アホ」だの侮辱してきた。あと思い当たる節がないのだが、なぜか「エロチビ」とバカにしてきたこともあった。

そんな長女は同じことを職場でもやったようだ。本人は武勇伝のように色々と語っていたが、内容を察するに「仕事ができるズケズケと意見を言うワタシ」という感じで、一緒にいるだけでノイローゼになりそうだが。一応上司は理解のある人で長女の痛々しい発言を上手いぐあいにフォローしていたらしい。

ある日の飲み会での出来事。前後関係は分からないが、上司の「○○(長女の名前)はリベラルだからな」という発言に対して、同僚が「は!?共産党支持者かよ?」とリアクションしてきたらしい。周辺情報が無さ過ぎて、なんと反応したらいいか分からなかった。とにかく職場では嫌がられていて、ちょっとした発言でも過剰に反応してしまうくらい同僚がピリピリしているんだろう。

確かに一緒にいるだけで心が擦り切れるんだよね。一挙手一投足ダメ出ししてくるから。姉の職場の近くにエスニック料理屋さんでランチをした時のこと。まったく土地勘のない場所に急に呼び出され、しかも「口内炎になったから薬を買ってこい」と指示がきた。急いでお店に向かいながら、口内炎の薬も買った。

そんで、お店に到着し、口内炎の薬を渡したところ「普通さ、何か食べても薬が剝がれないようなものを買うでしょ」と文句を言われ、気まずい雰囲気の中ランチを終えた。行ったこともない場所に急に呼び出され、挙句の果て買い物まで頼んできて、しかも具体的な要望も示さず、買ってきたものに対して文句を言う。

職場だともっと酷いんだろうな。

事情はよく分からないが長女は休職した。そんで、フランスにワーホリに行った。外国で苦労して丸くなってほしいという願いも無念にも破られた。

失礼を承知で言うと、人生設計の王道を外れると、イレギュラーな自分の人生を正当化したくなるらしい。特に長女は悪い意味で海外志向が強かった。

自分が転職について相談した時のこと。人生設計や転職について一般論的な内容の話をすると「人それぞれでしょ」と否定し、無理やり人生設計を自分の海外経験に関連付けて一方的にまくし立ててくる。「会社員生活が嫌になったら海外の大学に行ってそこで仕事を見つけろー」と。

大金を必要とするような決断を躊躇いもなく押し付けてくるとは... というか、長女はフランス渡航前に専門の翻訳学校に通っていたらしい。ちゃんと準備をして、ワーホリに臨んだが彼女は帰国した。きっと現地で仕事探しに大失敗したんだと思う。

そのリベンジを他の人を使って果たそうとしている気がして、嫌な気分になったのでそれ以来相談事はしないと決めた。

今でも長女のことは嫌いだが、彼女も母による虐待の犠牲者なんだと思う。

長女が高校生の時に「毒になる親」という本を読んでいたらしい。次女にもその本を薦め、私にもその本が回ってきた。長女と次女はウチの親に問題があることを理解したらしいが、今の二人の言動を見ると母の悪いところをそっくりコピーしている。

第一歩として「否定すること」は重要なんだろう。でも、二人ともその先のステップ、「では自分ならどんな最良の道を選ぶだろうか」という段階に入れていないのだろう。自分も人のこと言えないけど。

親子関係に限らず、とにかく否定が多い。過程を見ずに結果だけを見て文句を垂れる。たぶん、話しかけにくい雰囲気だし、プライドが高く自分が正しいと疑わないから、他人にも優れていることがあると認められないのかもしれない。まぁ、彼らを擁護すると、両親は「甘やかすな」を育児のモットーにしていたので、何をやっても基本的に貶される。

ある意味で長女も児童虐待の犠牲者だが、人の優しさに気が付かず、「渡る世間は鬼ばかり」と本気で思い込んでしまっているのかもしれない。